This is us
新学期が始まって、二週間。
三年生になったからか皆真面目に授業を聞いている。
…一人を除いては。
「小田切さん、おーだーぎーりーさん!」
あいつ、馬鹿だなやっぱり。
窓際の一番後ろの席で、がっつり寝ている。
毎日下校時間ギリギリまで部活をやって、朝も早くから練習しているからか。
完全に寝ている彼女を横目に、俺は黙々と板書する。
名前の順に並んでいる席で、さとりの隣が佐々木だ。
佐々木は恐る恐るさとりを突っついて起こそうとしているけれど、一向に起きる気配がない。
「いいわ。佐々木くん放っておきなさい。後で課題を出すから」
あーぁ。先生完全に怒っているし。
授業中の彼女もまた新鮮で、見ていて飽きなかった。
あれから終業の挨拶で慌てて起きたさとりには、教科書二十ページ分の書き写しの課題が課された。
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