This is us


新学期が始まって、二週間。
三年生になったからか皆真面目に授業を聞いている。

…一人を除いては。


「小田切さん、おーだーぎーりーさん!」


あいつ、馬鹿だなやっぱり。

窓際の一番後ろの席で、がっつり寝ている。

毎日下校時間ギリギリまで部活をやって、朝も早くから練習しているからか。

完全に寝ている彼女を横目に、俺は黙々と板書する。

名前の順に並んでいる席で、さとりの隣が佐々木だ。

佐々木は恐る恐るさとりを突っついて起こそうとしているけれど、一向に起きる気配がない。


「いいわ。佐々木くん放っておきなさい。後で課題を出すから」

あーぁ。先生完全に怒っているし。

授業中の彼女もまた新鮮で、見ていて飽きなかった。

あれから終業の挨拶で慌てて起きたさとりには、教科書二十ページ分の書き写しの課題が課された。


.
< 295 / 388 >

この作品をシェア

pagetop