This is us
Side Satori
「さとりちゃんって呼んでいい?」
「うん!じゃあ私はえもちゃんて呼ぶね」
少しずつ友達が増えてきた。
「えもちゃんなんて初めてなんだけど」
そう言って笑うえもちゃんは、満更でもなさそうだ。
私は苗字からあだ名を考えるのが好き。
なっちゃんもそうだし、同じ部活の要ちゃんも。優花には、松川でまっちゃんなんて嫌だと却下された。
「さとりちゃんって面白いよね」
「何で?」
ちなみにえもちゃんは、江森 はなって名前だ。名前の順で私の前の席で、話す機会が多い。
「授業中ずっと寝てたり、当てられた時に答える解答とかすっごい面白い」
「喜んでいいのかな」
この前は古典の授業寝ていて、山のように課題を出されて大変だった。
周りは予備校に通い始めたり、受験モードになっている中、私だけ取り残された気分で。
焦りと言うよりは、無気力と言った方がしっくりくる。
「さ、部活行こう!優花」
「うん」
クラスメートに手を振って、優花と体育館へ向かった。
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