This is us
「話にならないよ。何しに大会へ行くんだよ?悪いけど今の段階じゃ出せない。以上」
「ありがとうございました。お疲れ様でした」
解散した後皆の口から零れるのは、深い溜息。
せっかくの体育館での練習はずたぼろで。
次に使える日は明後日だ。
教官室へ帰っていく先生の後ろ姿は、怒っている反面、寂しそうで。
「要ちゃん、団体メンバーだけでもいいから朝練一時間早めない?」
「うん、そうだね。体育館開いてるか分からないけど…とりあえず朝6時に集合しようか」
要ちゃんの言葉に、皆頷いた。
「よし、明日からまた頑張ってこう」
優花が場を明るくしてくれる。
皆の顔に笑みが広がっていく。
大会まであと二週間。やれるところまで頑張ろう…
外は当たり前だけれど真っ暗で、教室棟の電気も全て消えていた。
「お疲れ」
「ゆっゆゆゆ結城くん?!」
壁に寄りかかっていたのか、全く気が付かなくて。
まさか結城くんが待ってくれていたなんて思ってなかったから、すごく驚いてしまった。
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