This is us


どのくらい寝ていたのだろうか。
パッと目が覚めると、全身汗をかいていて気持ち悪さにベッドから這いずり降りた。

熱独特の目眩で、ベッドを背もたれにして座り込む。

生暖かくなった冷却シートを剥がして、ごみ箱へと放り投げたけれど。
惜しくも縁に当たってカーペットの上に転がり落ちた。

怠いし動きたくねぇな…

朝よりは良くなったとは思うけれど。

仕方なく着替えて、携帯で時間を確認すると、午後の三時を過ぎていた。

今頃現代文の授業中だろう。さとりは寝ている確率が高いな。

棚にインスタントのお粥があるのを見つけて暖めながら、授業中の光景を思い浮かべる。


「ただいまー…誰かいる…?」


突然リビングのドアが開いて、姉貴が顔を出した。

「あ、蓮。久しぶりじゃん、学校は?サボり?」

「…風邪引いた」

どっさりと両手に荷物を持っていた姉貴は、ソファーに置いて。

「嘘?!病院行ったの?」

大きな声を出して驚いた。
家から病院までは車で十分程走った場所だ。

「行けるわけねぇじゃん」

「親いない時にあんたもタイミング悪いねー。乗せてってあげようか?」

「うーん…別にどっちでもいい」

出来上がったお粥を茶碗に移して、適当に返事をする。


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