This is us
今日は部活が始まると、柔軟の後すぐに団体、個人の練習に入った。
体育館の半面では男子バスケ部が練習をしている。
「ね、相原くんてどの人?」
優花を肘で突くと、私は声を潜めて聞いた。
メールを返さなくちゃいけないし。
夏休みに入る前には、一目見ておきたいと思った。
「あぁ、あれあれ!今シュート決めた人」
優花が指差す方を辿っていくと、長身の男の子が仲間とハイタッチしているのが見える。
ふわふわの明るい茶髪に、爽やかな笑み。
「いいでしょ?」
口をあんぐり開けたまま見入っている私に、優花が楽しそうに耳打ちした。
「いや…えっと…うん…?」
「あはは、動揺しすぎ〜」
なんか、信じられなかったんだ。
すごくキラキラ輝いて見えた相原くんが、私に好意を寄せているなんて。
可愛くて目立つ女の子なんてたくさんいるのに。
どうして私なのか。
そして、バチッと瞳が絡まったのに思いっ切り逸らされてしまったから。
考えれば考える程、疑問と違和感が、ぐるぐると渦を巻いて濃くなっていく。
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