This is us


「…ただいま」

リビングのソファーに座っているお父さんは、険しい顔をして新聞を読んでいた。

そんなお父さんに向けて、ぼそぼそと呟くように言う。

「話って…?」

「そこに座りなさい」


新聞を閉じて、一度私を見たお父さんは向かいに座るように促した。

ローテーブルには、私のテストや二年の通知表が広げられていて。

これは相当やばいかもしれないと、唾を飲み込んだ。

「勉強はどうなんだ?」

戦闘開始。

ーベンキョウハドウナンダ

開始早々、核心部に迫る攻撃だ。

「うん…まぁまぁかな…」

視線が定まらずに、キョロキョロと瞳が泳ぐ。

「このテストの点数は何だ?寝ながらやったのか?」

お父さんが選んだのは、ライティングの十八点のテストだ。
それから現代文の三十四点、古典の二十三点と、次々に私に見せてくる。

「…寝ながらはやってな、いかな…」

「どうやったらこんな点数とれるんだ?!猿でもこんな点数とらないだろ」


言い返す言葉が見つからなくて、じっとテストを見つめた。
もうあと一撃で瀕死状態になるだろう。


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