This is us
帰り道、心がずっしりと重くて。
考えれば考える程、分からなくなった。
何を考えたいのかさえ混乱する。
道端の石を思い切り蹴飛ばして、深く溜息を吐いた。
どうして、何も言ってくれねぇんだよ。
俺は少しも力になれないのか。
恋人って、こんなに薄っぺらいのか。
自分の弱さくらい、俺には見せて欲しい。
なんて、本当俺って変わったよな。
こんなにも必要とされたいと願うのは、彼女の一番の理解者になりたいと思っているからだ。
そう一人で考えていても、最後に残るのは悔しさと寂しさで。
やり場のないモヤモヤした気持ちが、苛々させる。
「あ、蓮お帰りー」
「…おう」
家に入るとなつめが来ていて、リビングからひょっこり顔を出すと、玄関まで出てきた。
「あれ?元気ないじゃん」
「別に」
なつめは不思議そうに首を傾げて、部屋へと向かう俺を見つめているけれど。
「やっぱ変…」
と、ぼそぼそ呟いていた。
俺は部屋へと入り、鞄をベッドへ放り投げる。
考えたくないのに、頭に浮かぶのは彼女の悲しそうな笑顔で。
その度に、ぐっと胸が締め付けられた。
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