This is us
「えぇっと…昨日はメール返せなくてごめんなさい…」
送信先は、相原くん。
やっぱりこのままメールを返さないわけにはいかない。
打っては消して、ニュアンスを変えてみたり、絵文字を選んだり、久しぶりにメールを打つことに労力を費やしている気がする。
「送信完了っと…」
携帯を閉じて、ふぅっと溜息をもらした。
「あ、これやんなきゃ」
ハンガーにかかった制服の隣に、キラキラと輝くレオタード。
あちらこちらにあしらわれたスパンコールが、電気に反射して光っている。
裁縫箱を取り出して、じっとレオタードを見つめた。
スカート部分の裾と、袖のラインに、新しくスパンコールを縫い付けなければならない。
「う〜…まだ半分も終わってないや」
裁縫が苦手な私には、酷な作業で。
針に糸を通すことさえ、悪戦苦闘。
瞬きを忘れて乾いた目がぴりぴりと痛くなり、ゴロンッとそのままベッドに横たわった時。
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