This is us
俺は少しイラッとしたけれど、勉強机の椅子に座りなつめを見た。
「…で、話したいことって?」
なつめは視線を逸らして、少し考えた後真面目な顔で口を開く。
「いちお、報告なんだけど…」
「あたし…」
そこまで言って言葉を濁すなつめに、もどかしさを感じながらもじっと待つことにした。
苦し紛れにテレビの電源を入れようか迷うけれど、なつめから出る雰囲気がどことなくいつもと違う。
「何?」
結局急かしてしまった。自分の悪い癖でもある。なつめは一度深く深呼吸をして、俺を真っ直ぐ見つめた。
「相原と付き合うことにした」
そう言ったなつめの顔に、少しだけ笑みが広がる。
俺はかける言葉を必死で探していた。
.