This is us
「なっちゃん、土曜日午後練だから来れないって」
「そっかあ…」
私の誕生日祝いをしてくれると言う優花と、机の上に手帳を広げて。
「佐々木と結城は大丈夫だから、まあいつものメンバーかな」
「ありがとう、楽しみだなあ」
カラフルに彩られた土曜日に、笑みが零れる。
優花もシールを貼ったりして、可愛くデコレーションしていた。
「さとりがもう18歳かあ、なんか早いね。あたしが言うのも変だけど」
「私が一番お姉さんだもんね」
「ねぇ…結城と何かあった?」
優花は突然真面目な顔で、身を乗り出した。
私ははっとして手帳を閉じるけれど、"何か"が分からずに口ごもる。
「なんか最近二人学校で話してないじゃん?佐々木もあたしも結城に聞いたけど、特にって言うんだけどさ…」
「うーん…私もよく分からない」
優花はあからさまに深く溜息を吐いて、少し間を置いた後、刺々しく言った。
「あたしって、さとりの友達だよね?前から思っていたけど…何も話してくれなくて正直寂しいよ。そんなにあたしじゃ頼りないかな?」
私は優花の顔を見ることが出来なくて。
優花がそんな風に思っていた事さえ、全く気付いていなかった自分に腹が立つ。
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