This is us


放置されていた携帯が震えた。


「あっ…」


サブ画面に表示された名前に、思わず声がもれる。


相原くんからだ!



「返事きてよかった〜だって…ふふ」


相変わらずふんだんに使われた絵文字に、怒ってなかった…と解釈する。

ホッとして、返信ボタンを押して返事を打ち始めた。


男の子とメールするなんて滅多にない私は、胸が高鳴りっぱなしで。


にやにやと顔が緩んでいることさえ、きっと忘れている。


ローテーブルの上に散らかったスパンコールや、糸屑なんて目もくれず、寝るまで携帯電話と見つめ合っていた。



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