This is us


「…ごめん」

「あたしは謝って欲しいんじゃないの。余計なお世話かもしれないけど、さとり達が心配なんだよ」

そう言う優花の瞳が悲しく光る。

私は優花の気持ちに、ぐっと心臓を掴まれたように苦しくて。

本当に、私ってバカだと思い知らされた。


恥ずかしいとか、分からないだろうとか、迷惑かけたくないって思っていた。

それは一緒にいる優花にとって、どれ程寂しくて悲しいか。

私は何も分かっていなかったんだ。


「優花…ごめんね…いつも私ばっかり優花の事頼ってばっかりだったから、迷惑かけたくないって思ってて…なかなか言えなくて」

「本当、バカだよ。さとりは。迷惑なわけないでしょ…」

いつも私の為に、怒ったり、泣いたり、笑ったりしてくれる。
そんな優花の存在にいつも私は甘えてばかりで。少し辛かったんだ。

でも、優花の気持ちを改めて知って軽くなった。

友達だから、言えることもあるんだね。

優花だから、いっぱいいっぱい頼っていいんだよね。


ポロポロと涙を溢す優花に、ハンドタオルを差し出して。

「これからは、いっぱい優花に話すから…聞いてくれる…?」

優花はそれを受け取って、"しょうがないなー"と言って微笑んだ。


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