This is us

"別れよう"なんて、言い慣れている。
今まで遊びで付き合ってきた女に何度も言ったし。その度に、嫌だとか悪い所を直すとか言われてすがりついてくる女の手を振り払った。

俺はいつだってそうやって誰かを傷付けて、弄んできたんだ。

さとりをいつか深く傷付けてしまうなら、今じゃなきゃ駄目なんだと言い聞かせて。

俺はメールを送信した。

送ってしまった後に、後悔しても遅いけれど。

本当は別れたくなんてない。
彼女を好きになって、毎日が180℃変わった。

そうやってまた自分は逃げるのか…。

なつめに言われた言葉を思い出す。

空に溶けてしまいそうな夕陽を見つめながら、葛藤を繰り返すけれど。

｢これで、よかったんだ…｣


ぽつりと独り呟いて。

俺は家路を歩き出した。



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