This is us
「本当にありがとう」
あちらこちらから鼻水をすする音が聞こえ、しんみりとした空気が広がる。
「みーんな、最高の部員よ。一人一人に良さがある。二年生は先輩達の意志をしっかり受け継いで、一年生を引っ張って行って欲しい」
「はい」
目の前が、涙で滲んで。
ぽろぽろと頬を滑って、照った肌を優しく濡らした。
「頑張れ。審判席でよく見てるからね!以上」
「ありがとうございました」
外はもうすっかり暗くなっている。
静かな体育館で、先輩達が一列に並んだ。
そして部長の田中先輩が、一歩前へ踏み出す。
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