This is us

Side Ren




テレビの中の気象予報士が梅雨入りを告げた。

しとしとと降り続ける雨に、溜息が漏れる。


「あーぁ。サッカーしたいなー…」

佐々木は窓の外を恨めしそうに眺めて、大きな欠伸をする。

「蓮ちゃん、くじ運強い?」

「さあ…なんで?」

「次のホームルームで席替えするんだってさ」

ざわざわといつもより教室が騒がしいのはそのせいか。

「隣になれるとい、い、ね!」

「アホ。授業中までイチャイチャする気ねぇよ」

強いて言うならやっぱり窓際がいい。
さとりの今の席は特等席だな。窓際の一番後ろだなんて。

先生が作ったくじを名前の順で引いていくことになった。

俺はつまり余りものと言うわけで。

まあ、じゃんけんに負けたから仕方がないけれど。


俺が最後の一枚を引いて、黒板に紙が貼り出される。皆一斉に黒板に群がって、自分の席を確認して騒ぎ出した。

「マジ?!俺教卓の前じゃーん!」

佐々木は人一倍大きな声をあげる。

相変わらずうるせぇな。

引いた紙には13番と書かれていて、群れが引いた頃を見計らって席を立った。


「あ…」


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