This is us


「三年間、お世話になりました」


「ありがとうございました」


その光景を見て、胸がぎゅっと狭くなる。

みんなみんな、涙を流しながら、それぞれ想い描く体育館での部活の日々。

先輩達の凜としたその姿に、改めて部活っていいな…

心からそう思った。


隣にいた優花はすっかり泣き出してしまっている。


そんな優花の頭をぽんぽん撫でながら、私も目頭の涙を拭った。



「あ」


「ん?どした?」


「あああああああぁぁああ」


すっかり忘れてた。


優花は涙をタオルで拭きながら、大声を出した私にぽかんとしている。



「優花ぁ〜…レオタードのスパンコール付け終わってな〜いっ」


「ばっ…嘘でしょ?!」


呆れすぎて口をパクパクさせる優花に、私は小さく首を横に振った。



「こんの、大バカ者〜っ!!」


昨日相原くんとメールをしていて、その後寝てしまいましたなんて言えるはずもなく。


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