This is us


悟られないように、少し机の上を片しながら気持ちを落ち着かせる。


だって、想像つかない。



さとり以外の女となら、何の抵抗も緊張もなかったのに。


「悪い、待たせた。入って…」


「はい」


て言うか、さとりだって同じように緊張してる?

さっきまでニコニコ笑っていたのに、今じゃ顔が強ばっていて。

部屋に入るなり、座り場所に困っていた。


俺の部屋は狭いから、必然的にベッドの上が座り場所になってしまう。


「飲み物持ってくるから、適当に座ってて」

「はい」


クーラーのスイッチを入れて、部屋を出た。

初めて家に呼んだものの、どうしようか。

さとりが自分の部屋にいる事が不思議に感じる。


「あ、ありがとう」


「麦茶…かウーロン茶、どっちだと思う?」



俺、変なテンションになってるし。



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