This is us
二人して顔を見合わせる。
ドンドンドン。
「れーんー?いるでしょ?」
俺はため息を吐いて、ベッドから降りた。
「何だよ。帰れ」
「え?何それ。夕飯持ってきてあげたのにー」
なつめに邪魔をされて、イライラが全面に出てしまったけれど…。
「あ、ごめん…」
気まずそうにこちらを見ているさとりに気付いて、なつめは首を竦めた。
「もうこんな時間か!あ、あたしそろそろ帰るね」
「あ…じゃあ送ってく」
「せっかくなつめちゃんがご飯持ってきてくれたんだから、食べなよ。あたし大丈夫だから」
さとりは笑顔でそう言うと、バッグを肩にかけて立ち上がる。
なつめは口パクで"ごめん"と言いながら帰っていった。
「送ってくって。まだ腹減ってねぇし」
「うん」
そう簡単にうまくはいかないよな。
さとりの気持ちもあるし、なつめに邪魔されて良かったかもしれない。
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