This is us



「さとり、お疲れ」


涙が乾かぬまま、控え室へ入ると、先輩達が笑顔で迎えてくれた。


「本当にすみません…」


再び緩む涙腺を、堪えることなどできない。



「ちょっと!謝らないでよ〜。本当にありがとね!」

「そうだよ、最高の大会だったんだよ?」


口々に先輩が優しい言葉をかけてくれて。


私の涙はより一層増していった。


「今日は、ぱーっと部活全員で焼肉だからね!」


「あ、この件先生にバレないように!」


「確かに、先生ダイエットにうるさいから」


先輩達の笑顔に励まされ、優花から元気をもらって。


この日の事は、優しい思い出となって胸に刻まれていく。


帰りの電車から見える、真っ赤に染まった夕日がやけに色鮮やかだと思った。


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