This is us

Side Satori



大会が無事に終わり、九月にある地区大会に向けて、新たに練習が始まった。


部長は仲間の要ちゃんに決まり、副部長に私が選ばれて。


まさか自分が副部長に選ばれるなんて思ってもみなかったけれど、精一杯頑張っていこうと思う。



夜、突然の着信に恐る恐る携帯を開くと、相手は相原くんだった。


どうしたんだろう。


緊張が走る中、通話ボタンを押した。



「もしもし…」


「あ、もしもし。突然電話しちゃってごめんね」


「ううん?どうしたの?」

携帯を持つ手が微かに震える。


電話越しに初めて聞く、相手くんの声は、柔らかく心地好いと思った。


「あのさ、今度の日曜日空いてる?」


「うん、空いてるけど」


「もし良かったら、学校近くの駅前で祭りがあるんだけど、一緒に行かない?」

お祭り…。

そのワードに、胸がとくんと鳴る。


.
< 54 / 388 >

この作品をシェア

pagetop