This is us
「でも、」
小田切が遠い目をして、言葉を紡ぐ。
「誰か一人でも、結城くんを理解してくれる人がいれば…きっともっと楽に生きられるよ」
楽に…生きる?
「なんて言うか、全然うまく言えないけど!」
「…理解してくれる人、か…」
小田切の言う通りかもしれない。
女にこんな事言われるなんて初めてだけれど。
だから、こんなに歯痒い衝動に駆られるのか…。
だから、胸が浮かぶような変な気持ちになるのか…。
彼女と並んで歩く行く末に、どんな景色が広がっているのだろう…。
なんて、自分らしくもない思考が頭を支配していた。
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