This is us
Side Satori
あれから、家の前まで送ってくれた結城くん。
彼の色々な一面を、一気に知ることができた日となったけれど…。
相原くんには、完全に嫌われただろうな…。
家に帰ってすぐに連絡をしたものの、音沙汰がなかった。
もうそれも二週間前の話で。
八月に入って、相変わらず部活に明け暮れる日々を送っていた。
「はあ〜…」
出るのは深い溜息ばかりだ。
「まだ気にしてるの?」
開脚をしたままマットに突っ伏した私に、優花がツンツンと足の裏を突く。
「こら!くすぐったーい!!」
「さっきから溜息つきすぎ!」
「だって…」
お祭りの一件は、この前優花となっちゃんの三人で遊んだ時に報告済みで。
二人ともかなり驚いていたけれど、
『結城 蓮が相手じゃねぇ〜?』
と顔を見合わせて妙に納得していた。
『あたしからうまく言っておくから、任せてよ!』
なんて、なっちゃんは笑顔で励ましてくれたけれど。
私の心は罪悪感に埋もれて、晴れることはなかった。
.