This is us


結城 蓮。



今学校で一番注目されている人物だ。

良くも悪くも、彼の噂はよく耳にする。

整った綺麗な顔立ちで、たくさんの女の子に囲まれている彼。


私には全く縁がないし、興味もない。


彼が誰と付き合おうが何しようが、関係ないと思っていた。



「ボール、いつまで持ってんの?」


「え、あ…」


ボールを持ったまま固まっていた私は、彼に睨まれてびくっと肩が上がる。


ってか、拾ってあげたのに何でそんなに偉そうなの?

ムッとして無言で、彼に向かって思い切りボールを投げた。


「…うざ」


抱え込むようにボールを受けとった彼は、眉間にしわを寄せて冷たく言い放つ。


一気に頭に血が上った。


校庭に戻っていく彼の背中に、私は慌てて叫ぶ。


「ふざけんなっ」


振り向きもせずに見えなくなっていく彼。

本当に最低最悪だって思った。

二度と顔なんて見たくない。


自分が一番だなんて、勘違いしている奴なんか。


大っ嫌い。


それが、君との出逢いだった…―――



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