This is us
「じゃあ、地区大の団体メンバーは…要、小田切、松川、山口、中島。個人が…要、小田切、渡辺でいきます」
橋本先生が、名簿を見ながら淡々と話している。
上の空だった私は、はっとして顔を上げた。
「……以上」
「ありがとうございました」
解散した後、隣にいた要ちゃんに声をかける。
「先生何だって?」
「えっさとちゃん聞いてなかったの?!」
小柄な要ちゃんが、呆れて笑みをもらした。
「もう〜しょうがないなあ。個人の構成は、各自明後日までに考えて提出だってさ」
「げっマジで…?!」
体中の体温が一気に下がっていくのを感じた。
「うん!頑張ろうね」
要ちゃんは元気にガッツポーズをしているけれど。
私は苦笑いしか出来なかった。
うちの高校は、私を含めほとんどが高校から新体操を始めた未経験者ばかりで。
要ちゃんは中学から新体操をやっているから、技術も知識も私達の中で一番なんだ。
「無理だよぉーっ!」
家に帰って、机に向かってみたけれど。
ルーズリーフは、まっさらなままだ。
先生はいつも急なんだから…
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