This is us
気晴らしにベランダへ出ると、夜の風が気持ち良かった。
ふと思い浮かぶ、彼の顔に私は慌てて首を横に振る。
違う違う、何してるんだろうって思っただけで…
って、何自分に言い訳なんてしてるんだろう。
長い髪がさらさらと靡いて、ごまかすように空を見上げた。
学校の屋上よりも、ぐっと空が近いマンションの八階。
今日は白じんだ雲に覆われていて、星は見えなかった。
少しだけ溜息を吐いた私は、そのまま机に戻る。
それでもこびりついて離れない、お祭りでの一件に胸がそわそわして。
ペンを指で持て余しながら、ルーズリーフに文字が走ることはなかった。
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