This is us



「…小田切、これただ思い付きで技を並べただけでしょ?」


「う…」


個人の構成を書いた紙を、一人ずつ先生に見せていた。


ギロリと鋭い眼差しに、思わず肩がすくむ。


「MG立ちした後に座ターンはおかしいでしょ?」


「確かに…」


「リボンはピボットなんだから、もっとピボットを組み込みなさい。あなたはそれが強みでもあるんだから」


「はい…」


呆気なく返されてしまったルーズリーフが、ひらひらと宙を舞った。



「さとり、どんまい…」


「ぶー…」


優花に肩をポンッと叩かれ、更に猫背になる。


体育館の外に、ついつい目がいってしまうのは…


校庭でサッカー部が練習しているから。


もしかしたら、また彼がボールを取りに来るんじゃないかって…


何考えてるんだろ…。

こんな時に。


確実に、お祭りに行ってから私は変だ。


ふと気付けば、いつも外を眺めている。



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