This is us
Side Satori
実力テストが終わり、私は一目散に五組へ向かった。
緊張で少し足がすくむ。
「あ、すみません!相原くん呼んでもらえます?」
震える手を、隠すように背中にまわした。
五組の人は、一瞬眉を歪めたけれど。
ドアから教室の中へ向かって彼の名を呼んでくれた。
出てきた相原くんと目が合うと、一瞬にして爽やかな笑顔が剥がれ落ちる。
あぁ、私やっぱり嫌われた…。
「何?」
「あ…あの、ちょっと話があるんだけどいい?」
「…うん」
朝と変わらない低い声に、胸がズキズキと痛む。
人がいない中庭に来て、私は相原くんと向き合った。
「…あのさ、私お祭りの事ずっと謝りたくて…」
「………」
「本当にごめんなさい。気が付いたら皆いなくなってて…デパート圏外で…それで」
「あのさ、」
ずっと黙っていた相原くんが口を開き、私の話が遮られる。
私はピタリとその場に固まってしまった。
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