This is us
俺が、小田切を好き…?
「…何で?」
「何でって…何となくだよ」
そんなこと、あるわけない…
静かに、呟くような口調でなつめは続ける。
「何年蓮を見てると思ってんの」
「何でも分かったような口きくなよ」
「分かるよ。だって…だって…」
なつめの声が震えていた。
俺は、気持ちを落ち着かせようと空気を深く吸い込む。
澄んだ空は今朝と変わらず、果てしなく広がっていた。
「…違ったんだ。蓮の表情とか、全部…全部違ったんだよ」
ゆっくりと流れる時間を、遮るように落とされた言葉。
「なつめがどう言おうと、俺はそんなんじゃないから」
これ以上、掻き乱さないでくれ。
「じゃあさ…」
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