最強不良姫 ―黒蝶―
「…まなかぁ…。
もう許して下さいぃ~…」
なんか間の抜けた感じがするのは、
気のせいだろうか?
「…王蝶。貴方の族の誰かが
もし私にタメ口を使ったら、
貴方はどうするの?」
静かに、だがしっかりと言う
愛華の声は、静かな部屋に
よく響いた。
「……そう、だな。
俺がしそうな事より、
もっとマシだ。」
…一体、どんな罰を
受けさせる気なのか。
これ以上酷い罰など、
数日も持たないであろうに。
「でしょう?
なら、誰かさんに
許して貰える時まで我慢しな。」
…“誰かさん”とは。
一応言っておくが、愛華ではない。
……愛華を必要以上に
慕っている者達の事だ。
…いや、まずは愛華に
許してもらわなければ
ならないのだが。

大抵の場合、愛華は1・2日程で
許してくれる。
だが、愛華の事を必要以上に
慕っている者達――愛華の兄弟、
黒蝶の副総長・幹部、
黒蝶の者達全員。
上から順に恐ろしい者達を
並べてある。
…この者達は、
大抵の場合は一週間前後で
許してくれるが、
旬の場合はその前に
泣かせた事もあり、
約1ヶ月は許してくれないだろう、
と言われている。
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