最強不良姫 ―黒蝶―
「…あんた達、どうして
こんな事したのよ。
この子は、あんた達の味方でしょう?」
愛華がそう訊ねると
「……コイツは、裏切ったんだ。」
そう答える水龍の奴等。
「裏切った?どこがよ。
…彼女は、私と戦っても無駄だと
悟っただけよ?
しかも、仲間である彼女に向かって…。
…“水龍”には、仲間意識も
皆無に等しいのね。」
クールな愛華にしては
随分と口を開いている。
「仲間意識?
ハッ!!んなもん、有っても
無くても一緒だろ。」
「一緒な訳ないでしょう。」
即答で答える愛華の声は、
冷静で、静かな声だった。
「…有った方が、弱くなるだろ。」
「逆よ。…貴方が総長を
務める前の総長は、あんた達みたいな
奴じゃ無かったわよ?

…本当に、あの子は
どうしてこんな奴等を…。」
最後は独り言のように呟いた愛華は、
水龍の前総長を知っているようだ。
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