最強不良姫 ―黒蝶―

その時。
愛華と亜由美が居るところでは。

「――愛華っ!?」
愛華が、目を開けた。
「亜由美…。戦いは…どうなったの…?」
痛さなど、微塵も感じないのか。
愛華は、ゆっくり起き上がった。
「…まだ……始まったばかりよ。」
亜由美はそう言った。
「…愛華……。
傷は、大丈夫…?」
心配そうに訊ねる亜由美に、愛華は微笑んだ。
「大丈夫よ。眠ったら良くなったわ。
…それより……信哉は…?」
眉を顰めて訊ねる愛華に、亜由美は微笑んだ。
「大丈夫。信哉は…愛華が倒れた時、
水龍に殺気を飛ばしてたくらいだから。」
勿論私もだけどねっと言う亜由美に、
愛華は心配そうな顔つきから、頬を緩ませた。
「……で、青龍はどう?
誰か、相手をしている…?」
いきなり真面目な顔つきになった愛華に、
亜由美は首を振った。
「いいえ。…美瑠紅が、“青龍は美蝶さんが
殺るから止めておくわ”って水龍に言ってたわ。」
「…そう。
じゃ、私達も戻りましょうか。」
「――はい。」
< 76 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop