最強不良姫 ―黒蝶―
「愛華お嬢様!!
次どうぞ!!」
そう呼ばれて、やっと我に返った愛華。
「あ…はい。」
一応返事をして立ち上がる愛華。
診察室へ入る直前、奥の廊下で
誰かが運ばれていくのが分かった。
…でも、その人は歩いてるから、
運ばれてるんじゃなくて
案内して貰ってるぽかったけど。
……あの後姿に見覚えがあったのは
私の気のせい?
…ううん、気のせいなんかじゃない。
あれは…あの、後姿は――。
「しん…や……」
自分でも、声が震えているのが分かった。
信哉はどうなるの?
信哉は…入院するほど重症なの?
数え切れないほどの疑問が一斉に浮かんで、
不安になった。
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