最強不良姫 ―黒蝶―
「愛華お嬢様!!
左足と…腹部も撃たれたのですか…?」
「はい。
…でも、これくらい大丈夫ですから。」
と言って笑顔を作ると、
「そんな訳ないでしょう!!
はやく、見せてください。」
なんか凄い剣幕で言われた。
「あ…はい、分かりました。」


「…こんな重症で、よく戦えましたね…。」
「これくらい、普通ですから。」
平然とそう答える愛華に、医師は
眉根を寄せた。
「…普通じゃないですよ…。

…にゅ「嫌です。」…。
早いですね…。」
…何が起きたか。
医師が「入院しましょう。」と言いかけたその瞬間、
愛華がそれを遮って嫌だといったのだ。
「分かりました。
…では、薬を出しておきますので
必ず毎日服用して下さいね。」
…良いのか、それで。
「はい。」
「あと…“必ず”1ヶ月は安静にして下さいね。」
そう言われた瞬間、愛華が小さく
舌打ちした事は誰も知らない…。
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