会長は劣等生に恋をする!?
「じゃあこれ、コピーしてきますねっ」
書き終えたアンケートを木本さんは持ってでていった。
生徒会室には僕と黄金井と黒田くん。
「…もう帰っていいですか?」
「ん?まあ…いいですよ。お疲れ様」
頭を下げて、掃除用具入れから鞄を取り出して帰っていった黒田くん。
掃除用具入れが部屋化してないか!?
「…らぶらぶぼんばー」
「は?」
「のぞみん、まじめくんにらぶらぶぼんばー!」
「なんですか、それは」
「ベタぼれだなって」
「誰が誰に!???」
「のぞみんがまじめくんに」
椅子から転げ落ちた。
「なっ!何を言ってるだ君は!ふざけるな!」
「あんなまるわかりなのにーまじめくんって鈍感だよね」
「君に鈍感なんていわれたくない!」
「普通わかるくない?このこ自分に気があるなーとか」
「君は常日頃そんな事を考えて人を見ているのか!??」
「まあ」
そんなこと考えたこともない。
というか色恋沙汰について関心を持った事がないのだ。
学生の本業は学業だろ!
学校でのうのうと恋愛なんか……
「時間の無駄というものだ!」
「は?恋愛が?なんでよ、とっても大事なことだよ」
「全くもって必要ない」
「のぞみんはすごい真面目で働き者だよね」
「そう…彼女はとても働き者でいい子です!真面目だし校則も守る……」
「それはまじめくんがそうさせてるんだよ?」
は?
「好きな人に近付きたい。好きな人に好きになってほしい。そういう気持ちって人を大きく変えるんだよ!それってすごくない?進化だよ!」
………。
なんだか黄金井が難しい話しをしている…。
なんでだ…
僕にも理解できない話があったのか。
僕にわからないのに、黄金井がわかる。
腹の奥がもやっとした。