会長は劣等生に恋をする!?
「何でまた急に…」
「黄金井いわく副会長の木本さんは僕に恋しているらしい」
柊くんはまるでお笑い芸人のようにずっこけた。
「な…っなんて!?」
「だから…」
「いや、二度も言わなくていい!」
僕の口に人差し指をあてる柊くん。
なんとも勝手な奴だ。
「というわけで、僕は解らない事は完璧に解りたい主義なので…頼まれてくれませんか」
見ると、肩を震わせる柊くん。
「どうかしたのですか」
「頼まれるとも!!!」
僕の手を目をキラキラさせながら両手でつつむ柊くん。
「まじめくんがこんな素敵な事を、この僕に頼むなんて!いや、僕だからこそか!」
「僕の名前は始(はじめ)ですけどね」
「イエス!始!君に恋のレッスンしてあげる、ヨ☆」
ウィンクをする柊くん。
何だかとても不安になってきた。
「俺の事は先生とでもよびたまえ!」
「では、先生。辞書で恋と調べたら、『特定の異性を切ないほど好きになること』と書いてあったのですが、具体的にはどういう…」
「それはね!ふと気付くと、その子ばかり見てるんだよ…ふと気付くとその子の事ばかり考えているんだよ…
つまり!"ふと気付くと"ってのが重要なわけ、サ☆」
ふ と 気付く と …
メモをとる僕。
「目が合ったりすると、つい背けちゃったり、話しかけられると緊張しちゃったり…ふたりでいるとドキドキして…
キャーッみたいな!」
キャーッ…?
わけがわからないがとりあえずメモ。
「言っても伝わりにくいから、本物を見てみよう☆」
「え、ちょ…っ」
僕の腕を強引に引っ張る柊くん。