会長は劣等生に恋をする!?

柊くんは僕をひっぱって、木本さんのクラスの近くまで連れて来た。



「木本さんを何でもいいから呼んで、話しかけて」



はあ…?



「木本さんを呼んだ時、今やってる事全部すぐにやめて始のとこに急いでくるから」



それから…と付け加えてごにょごにょ言う柊くん。



「本物にですか?」



「おう!」



ヤレヤレ…まあアンケートの件を聞いておこうかな。



扉の近くの女子生徒に話しかける。



「木本さんはいますか?」



「会長っ!あ、いますいます!望!」



教室を覗くと、何人かと弁当を食べている木本さんの姿。



「望!会長が呼んでるよ!」



「はい!!!?」



木本さんは勢いよく席から立ち上がり、僕をみるなり弁当を閉じて急いでやってきた。



「なっなんでしょう!?」



「ちょっといいですか?」



にこっと微笑む。



木本さんは少し頬を赤らめて頷いた。



柊くんの言葉を思い出す。



『人のいないとこまで用件を言わずに連れていって、委員会の話をするんだ!そしたらのぞみんが残念そうな顔するだろーから!』



言われた通り、人のいない屋上へと向かう。



「か、会長…」



「用件は……」



木本さんの目をみると、木本さんはすぐさま目をふせた。



「アンケートの話なんですが」



「ア……ンケート?」



「はい」



「あ、ああ!アンケートですか!そうですよね!」



はははと力なく笑う木本さんはどこか残念そうだった。



柊くん……
君はエスパーなのか!



そして次は…


『ゴミがついてるとかいって、頭とかに触ってみて!そしたら顔赤くするよ☆』



木本さんの頭に触れる僕。



「ひゃああ!?」



「あ…ゴミが」



「ゴミ!?あっありがとうございます」



見ると木本さんは顔が赤い。



すごいぞ柊!



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