会長は劣等生に恋をする!?
パスを回しあい、ゴールにいれる。
スポーツってこんなに楽しかったっけ?
体育の単位のためにスポーツだって今まで頑張っていた。
でもこんなに楽しくなかった……。
パスがくるたびにクラスメイトとつながる。
「まじめくん!シュート!」
小金井が叫んでパスをしてくる。
目の前にはがたいのいい敵。
くるっと避けて、ボールをまっすぐゴールにはなった。
気持ちいい音が体育館に響き、笛が鳴り響いた。
「試合終了ー!」
「優勝だーーーッ!」
小金井が叫びながら抱き着いてきた。
「こ、こら…ッ」
また、女の子がそんなことを…と言おうとしたらクラスメイトがみんなで飛びついてきた。
「やったー!会長ナイス!」
「始!優勝だぞー☆」
桜樹も笑っている。
観客席もわーわー騒いでいた。
嬉しい。
僕はみんなにつられて笑った。
「ねっバスケットは盛り上がるでしょ?」
にっとして耳打ちする小金井。
「君はその盛り上がりまくっている頭をどうにかしろ」
「もーっなんだよーっ」
頬を膨らます小金井を見て、隠れて笑う僕。
こんな盛り上がりも…何だか悪くない。
そう思った。