天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
そんな息が詰まる授業が終わると、俺は廊下に出た。
(大金持ちも大変だな)
廊下を歩くだけで、周囲からの好奇の視線にさらされた。
「お嬢様!」
慌てて、教室から飛び出す純一郎を気にせずに、俺は廊下を歩き続けた。
(あんな騒動がなければ、普通の学校と変わらないな)
ずっと前を向いているが、周囲の気を探っていた。
(しかし…神レベルに近い程の実力者が、数人いるとは…。1人は、生徒会長。もう1人は…猫沢。それに…)
隣の校舎のどこかから、こちらを監視する目は、学校にいる間は常に感じていた。
(姿は確認していないスナイパー。あとは、月の女神か)
月の女神である理香子にもあったことはなかったが、今すぐに接触するつもりはなかった。
(彼女達がいるなら…そう簡単には、ここを攻め落とすことはできないはず)
俺は無意識に、足を止めた。
(なのに…何だ。この胸騒ぎは)
「お嬢様!」
廊下を走って追いかけてきた純一郎は、俺の斜め後ろ右手に止まると、いきなり今日のスケジュールを話し出した。
「本日、すべての授業を終えた後…パーティーにご出席のご予定が、救急入りまして〜」
(下らない)
こんな時に、パーティーをやるとは…。
呆れながら、歩き出そうとしたが…次の純一郎の言葉に、俺の動きが止まった。
「そのパーティーは、先日でライブツアーを終わらせた歌手…レダの…」
「レダだと!?」
足を止めて、俺が振り返ると、後ろにいるはずの純一郎がいなかった。
「な!?」
俺は慌てて、後ろにジャンプした。
いつのまにか、廊下の床が真っ暗になっていたからだ。
「空間に穴が空いている!?」
「あらあら、落ちませんでしたか?お嬢様」
突然廊下中が真っ暗になると、まるで…洞穴の中にいるような感覚に襲われた。
「もっとも、あなたを落とすつもりはありませんでしたけどもね。太陽のバンパイア殿」
(太陽のバンパイアだと!?)
俺の後ろに、暗闇よりも黒い影が姿を見せた。
(大金持ちも大変だな)
廊下を歩くだけで、周囲からの好奇の視線にさらされた。
「お嬢様!」
慌てて、教室から飛び出す純一郎を気にせずに、俺は廊下を歩き続けた。
(あんな騒動がなければ、普通の学校と変わらないな)
ずっと前を向いているが、周囲の気を探っていた。
(しかし…神レベルに近い程の実力者が、数人いるとは…。1人は、生徒会長。もう1人は…猫沢。それに…)
隣の校舎のどこかから、こちらを監視する目は、学校にいる間は常に感じていた。
(姿は確認していないスナイパー。あとは、月の女神か)
月の女神である理香子にもあったことはなかったが、今すぐに接触するつもりはなかった。
(彼女達がいるなら…そう簡単には、ここを攻め落とすことはできないはず)
俺は無意識に、足を止めた。
(なのに…何だ。この胸騒ぎは)
「お嬢様!」
廊下を走って追いかけてきた純一郎は、俺の斜め後ろ右手に止まると、いきなり今日のスケジュールを話し出した。
「本日、すべての授業を終えた後…パーティーにご出席のご予定が、救急入りまして〜」
(下らない)
こんな時に、パーティーをやるとは…。
呆れながら、歩き出そうとしたが…次の純一郎の言葉に、俺の動きが止まった。
「そのパーティーは、先日でライブツアーを終わらせた歌手…レダの…」
「レダだと!?」
足を止めて、俺が振り返ると、後ろにいるはずの純一郎がいなかった。
「な!?」
俺は慌てて、後ろにジャンプした。
いつのまにか、廊下の床が真っ暗になっていたからだ。
「空間に穴が空いている!?」
「あらあら、落ちませんでしたか?お嬢様」
突然廊下中が真っ暗になると、まるで…洞穴の中にいるような感覚に襲われた。
「もっとも、あなたを落とすつもりはありませんでしたけどもね。太陽のバンパイア殿」
(太陽のバンパイアだと!?)
俺の後ろに、暗闇よりも黒い影が姿を見せた。