天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
「お嬢様」
大月学園にある時計台の真下の部屋の中で、佇んでいる学生服の男のもとに、真田がやってきた。
「やつらとついに、接触したそうです」
「そう」
真田の報告に、学生服の男は頷くと、振り返ることなく訊いた。
「で…太陽様は、ご無事なのですか?」
「はい。純一郎はおそらく、落ちたと思われますが…あの男は無事です」
「そう…。よかったわ」
満足げに頷く学生服の男の方へ、真田は一歩近づくと疑問をぶつけた。
「しかし、茉莉様。綾瀬太陽という男…。もしかしたら、只者ではないかもしれません。あの空間で捕縛されて、無事であるとは」
「そうかもしれませんわね」
茉莉は、自らの手を見つめ、
「この体…わたくしの魂にとてもしっくりきますから…」
ぎゅっと握り締めると、
「やはり、太陽様は、わたくしと魂で結ばれた特別なお方!運命なのですわ」
きゃっと身をよじった。
「お嬢様…」
「それに…そうでなければいけませんわ。あの程度のゴミにやられるようでしたら」
「御意」
真田は、頭を下げた。
「フン」
茉莉は鼻を鳴らすと、部屋にある小さな丸い窓に近づき、
「そういえば…運命を口にする女がいたわね」
空を見上げた。
「もうすぐ…陽が落ちるわ」
そして、にやりと笑った。
そんな茉莉の背中に頭を下げながらも、真田の眼鏡の奥は妖しく光っていた。
「生徒会長!あなたがいない間に、こんなに決済を頂かなければならないものが、たまっています。至急だったものに関しては、あたしが独断で決めさせて貰いましたけど…。一応、目を通しておいて下さい」
姫百合の手より、渡された書類の山を見て、生徒会長の席に座った九鬼は、一瞬たじろいだ。
しかし、よく見ると、そのほとんどが処理されていた。
「お願いしますね」
びしっと言うと、生徒会を真っ赤な顔で出ていった姫百合の姿に、九鬼は苦笑した。
大月学園にある時計台の真下の部屋の中で、佇んでいる学生服の男のもとに、真田がやってきた。
「やつらとついに、接触したそうです」
「そう」
真田の報告に、学生服の男は頷くと、振り返ることなく訊いた。
「で…太陽様は、ご無事なのですか?」
「はい。純一郎はおそらく、落ちたと思われますが…あの男は無事です」
「そう…。よかったわ」
満足げに頷く学生服の男の方へ、真田は一歩近づくと疑問をぶつけた。
「しかし、茉莉様。綾瀬太陽という男…。もしかしたら、只者ではないかもしれません。あの空間で捕縛されて、無事であるとは」
「そうかもしれませんわね」
茉莉は、自らの手を見つめ、
「この体…わたくしの魂にとてもしっくりきますから…」
ぎゅっと握り締めると、
「やはり、太陽様は、わたくしと魂で結ばれた特別なお方!運命なのですわ」
きゃっと身をよじった。
「お嬢様…」
「それに…そうでなければいけませんわ。あの程度のゴミにやられるようでしたら」
「御意」
真田は、頭を下げた。
「フン」
茉莉は鼻を鳴らすと、部屋にある小さな丸い窓に近づき、
「そういえば…運命を口にする女がいたわね」
空を見上げた。
「もうすぐ…陽が落ちるわ」
そして、にやりと笑った。
そんな茉莉の背中に頭を下げながらも、真田の眼鏡の奥は妖しく光っていた。
「生徒会長!あなたがいない間に、こんなに決済を頂かなければならないものが、たまっています。至急だったものに関しては、あたしが独断で決めさせて貰いましたけど…。一応、目を通しておいて下さい」
姫百合の手より、渡された書類の山を見て、生徒会長の席に座った九鬼は、一瞬たじろいだ。
しかし、よく見ると、そのほとんどが処理されていた。
「お願いしますね」
びしっと言うと、生徒会を真っ赤な顔で出ていった姫百合の姿に、九鬼は苦笑した。