天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
九鬼の頭があった空間に、風を切り裂く蹴りが通り過ぎた。
九鬼は床に手をつくと、そのまま転がり、距離を取って立ち上がった。
「誰だ!」
構えようとして、九鬼は目を疑った。
「七色の乙女ソルジャー」
「フン!」
蹴りがかわされると、即座に手刀に攻撃を変えた乙女レインボー。
人のスピードを超えた鋭い攻撃であるが…正確に急所を狙う為、九鬼は何とか避けることができた。
しかし、服や皮膚の表面が切り裂かれていた。
(この動き!?)
よけれた理由は、それだけではなかった。
どことなく、自分の動きに似ていたのだ。
連続攻撃をかわされた乙女レインボーは、改めて構え直した。
(来る!)
新たな攻撃に敵が入る前に、九鬼は変身しょうと、乙女ケースを突きだした。
「装ちゃ」
叫ぼうとしたが、中島の言葉が九鬼を止めた。
(変身しないで)
その一瞬の躊躇いを、見過ごす乙女レインボーではなかった。
神速の動きで、九鬼の手にある乙女ケースを蹴り上げ、さらに半転すると、九鬼の脇腹に蹴りを叩き込んだ。
「クッ」
とっさの動きで、脇腹に蹴りが当たる寸前、動きに逆らうことなく、九鬼は横に飛んだ。
廊下の窓ガラスを叩き割り、外に飛び出した九鬼。
「ウッ」
上手く飛んだが、脇腹に痛みが走った。蹴られた部分が赤く腫れ上がっていた。
思わず身を捩った九鬼の顔が、空を見上げた。
一瞬…痛みでわからなかったが、いつもと違う空に絶句した。
「な!」
それは、痛みを忘れさせる程だった。
「つ、月が!」
「フッ」
変身を解いた猫沢は、新たに手にいれたもう1つの乙女ケースを握り締めていた。
「九鬼家の悲願!フフフ…」
シルバーの乙女ケースを握り締める猫沢の腕が、震えていた。
「あのお祖父様が求めた!神殺しの力が!今、あたしの手の中に!」
猫沢は、歓喜の声を上げた。
「この力は、真弓!あなたが手に入れるものではなかった。最初は、あたしが…!そうよ。あたしこそが!」
猫沢は、シルバーの乙女ケースを突きだした。
「乙女シルバーよ!装着!」
銀色の光が、猫沢を包んだ。
九鬼は床に手をつくと、そのまま転がり、距離を取って立ち上がった。
「誰だ!」
構えようとして、九鬼は目を疑った。
「七色の乙女ソルジャー」
「フン!」
蹴りがかわされると、即座に手刀に攻撃を変えた乙女レインボー。
人のスピードを超えた鋭い攻撃であるが…正確に急所を狙う為、九鬼は何とか避けることができた。
しかし、服や皮膚の表面が切り裂かれていた。
(この動き!?)
よけれた理由は、それだけではなかった。
どことなく、自分の動きに似ていたのだ。
連続攻撃をかわされた乙女レインボーは、改めて構え直した。
(来る!)
新たな攻撃に敵が入る前に、九鬼は変身しょうと、乙女ケースを突きだした。
「装ちゃ」
叫ぼうとしたが、中島の言葉が九鬼を止めた。
(変身しないで)
その一瞬の躊躇いを、見過ごす乙女レインボーではなかった。
神速の動きで、九鬼の手にある乙女ケースを蹴り上げ、さらに半転すると、九鬼の脇腹に蹴りを叩き込んだ。
「クッ」
とっさの動きで、脇腹に蹴りが当たる寸前、動きに逆らうことなく、九鬼は横に飛んだ。
廊下の窓ガラスを叩き割り、外に飛び出した九鬼。
「ウッ」
上手く飛んだが、脇腹に痛みが走った。蹴られた部分が赤く腫れ上がっていた。
思わず身を捩った九鬼の顔が、空を見上げた。
一瞬…痛みでわからなかったが、いつもと違う空に絶句した。
「な!」
それは、痛みを忘れさせる程だった。
「つ、月が!」
「フッ」
変身を解いた猫沢は、新たに手にいれたもう1つの乙女ケースを握り締めていた。
「九鬼家の悲願!フフフ…」
シルバーの乙女ケースを握り締める猫沢の腕が、震えていた。
「あのお祖父様が求めた!神殺しの力が!今、あたしの手の中に!」
猫沢は、歓喜の声を上げた。
「この力は、真弓!あなたが手に入れるものではなかった。最初は、あたしが…!そうよ。あたしこそが!」
猫沢は、シルバーの乙女ケースを突きだした。
「乙女シルバーよ!装着!」
銀色の光が、猫沢を包んだ。