天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
その瞳の強さに、高坂は理解した。俺が、そのカードを知っていることに。
だから、素直に本当のことを口にした。
「残念ながら…このカードにはポイントがない。使えるのは、通信機能だけだ」
カードシステムとは、ブルーワールドでティアナ・アートウッドが考案、開発したものであった。
魔王ライにより、妖精や精霊が住めなくなった世界では、人間は魔物を使えなくなった。契約できないからだ。
そんな状況を打破する為に、カードシステムは作られた。
倒した魔物から魔力を奪い、それを使役する為に。
(そうか!この世界には、魔物がいない。だから、ポイントを貯めることができないんだ)
ポイントとは魔力である。
そんなことを真剣に考えている俺の顔を見て、高坂が口を開きかけた。
「君は…一体」
しかし、最後まで話すことはできなかった。
いつのまにか…校門前に着いていた。
「お嬢様」
黒いリムジンが校門前に移動すると、小柄の男はドアを開き、深々と頭を下げた。
その行為に邪魔された形になった高坂は、口をつむんだ。
3人がリムジンに乗り込むと、前の席に小柄の男が座った。
ゆっくりと発車する車の揺れに、身を委ねながら、俺は先程の月影の騒動を思い出していた。
(仮にも女神であるものを、瓶の中に封印する相手がいるとは…)
俺は、それが気になっていた。
しかし、その封印した相手は、あの場にはいなかった。
(神レベルの…それも強力な相手がいるな)
俺は確信した。
「…」
リムジンの広い車内の中でも、高坂は気を許してなかった。
どこか…落ち着かない雰囲気があった。
サーシャは、車内に入ってからずっと、目をつぶっていた。
「ふぅ〜」
高坂は軽く息を吐くと、まだ手に握り締めていたカードに目をやった。
「!?」
何と、カードの反応が消えていた。
(まさか)
高坂は、カードを握り締めた。
(まだ使える場所が限られているのか。すると…完全に繋がった訳ではないのか)
3人を乗せた車は、市街地を抜けた。
だから、素直に本当のことを口にした。
「残念ながら…このカードにはポイントがない。使えるのは、通信機能だけだ」
カードシステムとは、ブルーワールドでティアナ・アートウッドが考案、開発したものであった。
魔王ライにより、妖精や精霊が住めなくなった世界では、人間は魔物を使えなくなった。契約できないからだ。
そんな状況を打破する為に、カードシステムは作られた。
倒した魔物から魔力を奪い、それを使役する為に。
(そうか!この世界には、魔物がいない。だから、ポイントを貯めることができないんだ)
ポイントとは魔力である。
そんなことを真剣に考えている俺の顔を見て、高坂が口を開きかけた。
「君は…一体」
しかし、最後まで話すことはできなかった。
いつのまにか…校門前に着いていた。
「お嬢様」
黒いリムジンが校門前に移動すると、小柄の男はドアを開き、深々と頭を下げた。
その行為に邪魔された形になった高坂は、口をつむんだ。
3人がリムジンに乗り込むと、前の席に小柄の男が座った。
ゆっくりと発車する車の揺れに、身を委ねながら、俺は先程の月影の騒動を思い出していた。
(仮にも女神であるものを、瓶の中に封印する相手がいるとは…)
俺は、それが気になっていた。
しかし、その封印した相手は、あの場にはいなかった。
(神レベルの…それも強力な相手がいるな)
俺は確信した。
「…」
リムジンの広い車内の中でも、高坂は気を許してなかった。
どこか…落ち着かない雰囲気があった。
サーシャは、車内に入ってからずっと、目をつぶっていた。
「ふぅ〜」
高坂は軽く息を吐くと、まだ手に握り締めていたカードに目をやった。
「!?」
何と、カードの反応が消えていた。
(まさか)
高坂は、カードを握り締めた。
(まだ使える場所が限られているのか。すると…完全に繋がった訳ではないのか)
3人を乗せた車は、市街地を抜けた。