天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
「どういうことよ」

舞が苛ついている中、高坂は無言になり、次々に変わる画面を見つめていた。

「…舞」

数秒後、高坂は舞に命じた。

「もう一度、さっきのライブ映像を見せてくれるか?」

「は、はい」

画面が変わり、日記の横にあるライブ映像が映る。

「う〜ん」

顎に手を当てて、高坂は画面を凝視した。

「どうしました?」

「他の映像は、ないのか?」

高坂の注文に、舞は巨大な投稿サイトへと移動させた。

「恐らく…あるかと」

レダの映像は、すぐに見つかった。

再生ボタンをクリックすると、ライブ映像が流れた。

しばし無言で見つめた後、高坂は目を細め、

「歌声は同じ…。しかし、演じているのは、別人のような」

もう一度、画面に顔を近付けた。

「うん?」

舞は、別の映像に変えた。

「そうですかね?」

舞には違いがわからなかった。

映像だけではなく、写真も検索する。

「映像の分析ソフトとか、あるといいんですけど…」

目で確認するだけでは、わからない。

「…」

高坂は無言で、カードを取り出すと、画面にかざした。

「!」

舞は、高坂の手にあるカードに気付き、

「ま、魔法ですか!」

目を見開いた。

「しかし、ポイントがない。魔物を狩らなければ、ポイントが入らない」

そう言うと、カードを握り締め、制服の内ポケットにしまった。

「カードシステムが復活したというのは、本当なんですね。あたしはずっと、部室にこもっていたので〜ポイントが零のままで…」

「!」

舞の話の途中で、高坂は思い出した。

「そう言えば…。彼女は、カードを知っていた」

「この世界のカードのことじゃないんですか?」

舞は、マウスを持つ手を止めた。

「いや。体力を回復させたいと言った。彼女はなぜ?」

悩む高坂と違い、舞は検索画面に名前を打ち込んだ。

「開八神茉莉…」

しかし、個人情報の為か…彼女の名前は出てこなかった。

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