天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
そんな2人の会話を耳にしながら、俺は渡り廊下から東館へと入った。
そこには、先に入ったサーシャが腕を組んで窓ガラスにもたれていた。
「話さないのか?」
サーシャの言葉に、俺は逆に訊いた。
「サーシャさんこそ、話さないじゃないですか」
俺の問いに、サーシャは鼻で笑うと、
「あたしらとあいつらは、別行動を取っている。この世界は、あいつらの方が詳しいし、あたし達は敵の目を引き付ける」
「成る程」
俺は納得すると、先程のサーシャの質問に答える代わりに、まじまじとサーシャを見つめ、
「似合ってますよ。制服姿。かわいいです」
ほめて上げた。
「な!」
突然のことに、サーシャは顔を真っ赤にして、絶句した。
ブルーワールドでブラックサイレンスの1人として戦い続けてきたサーシャは、あまりかわいいと言われたことがない。
「な、な、な」
サーシャが少しパニックっている間に、俺はその場から離れた。
すぐに思考は、光一のことに戻った。
(敢えて…魔力を放出していたな。俺の波動に似ているが、異なる。やはり、あいつが…抗体)
普段の力が使えれば、容易に倒すことができるだろう。
しかし、魔力を使えない…今の俺では、やつに勝てないとわかっていた。
(まだレダとも接触していないのに)
問題が山積みだった。
ここ数年は、強大な魔力を身に付けていた為に、殆どの問題をクリアできていた。
しかし、再び…ただの人間に近くなると、不便であった。
(改めて思う。人間は、大変だとな)
それでも、まだましなのは…チェンジ・ザ・ハートとモード・チェンジが使えることだった。
(しかし…どうする?)
考え悩んでいると、俺の進路に誰かが立っていた。
「太陽様!」
その声に、俺は足を止め、絶句した。
「開八神茉莉…」
目の前で微笑んでいるのは、綾瀬太陽の姿をした茉莉だった。
「いやですわ〜!太陽様!茉莉とだけ呼んで下さいませ」
少し口を尖らせた茉莉に、俺は何も言えなくなった。
「太陽様!」
信じられないことに、俺が本物の茉莉と会うのは、これが初めてであった。
そこには、先に入ったサーシャが腕を組んで窓ガラスにもたれていた。
「話さないのか?」
サーシャの言葉に、俺は逆に訊いた。
「サーシャさんこそ、話さないじゃないですか」
俺の問いに、サーシャは鼻で笑うと、
「あたしらとあいつらは、別行動を取っている。この世界は、あいつらの方が詳しいし、あたし達は敵の目を引き付ける」
「成る程」
俺は納得すると、先程のサーシャの質問に答える代わりに、まじまじとサーシャを見つめ、
「似合ってますよ。制服姿。かわいいです」
ほめて上げた。
「な!」
突然のことに、サーシャは顔を真っ赤にして、絶句した。
ブルーワールドでブラックサイレンスの1人として戦い続けてきたサーシャは、あまりかわいいと言われたことがない。
「な、な、な」
サーシャが少しパニックっている間に、俺はその場から離れた。
すぐに思考は、光一のことに戻った。
(敢えて…魔力を放出していたな。俺の波動に似ているが、異なる。やはり、あいつが…抗体)
普段の力が使えれば、容易に倒すことができるだろう。
しかし、魔力を使えない…今の俺では、やつに勝てないとわかっていた。
(まだレダとも接触していないのに)
問題が山積みだった。
ここ数年は、強大な魔力を身に付けていた為に、殆どの問題をクリアできていた。
しかし、再び…ただの人間に近くなると、不便であった。
(改めて思う。人間は、大変だとな)
それでも、まだましなのは…チェンジ・ザ・ハートとモード・チェンジが使えることだった。
(しかし…どうする?)
考え悩んでいると、俺の進路に誰かが立っていた。
「太陽様!」
その声に、俺は足を止め、絶句した。
「開八神茉莉…」
目の前で微笑んでいるのは、綾瀬太陽の姿をした茉莉だった。
「いやですわ〜!太陽様!茉莉とだけ呼んで下さいませ」
少し口を尖らせた茉莉に、俺は何も言えなくなった。
「太陽様!」
信じられないことに、俺が本物の茉莉と会うのは、これが初めてであった。