天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
観客の声がする方へ歩き出したレダは、前を真っ直ぐに見つめながら、ティアに訊いた。
「彼女は誰です?私をジュリアを呼んだ」
「さあ〜。あたしも詳しくは知らないのよ」
はぐらかすティアの言葉に、
「そうですか…」
レダは頷くと、通路からステージ裏へと入った。
「行きます!」
すでに袖で準備していたバンドのメンバーに告げると、レダは颯爽と観客の前に飛び込んだ。
歓声が沸いた。
レダに、観客の目が行っている間に、バンドメンバーは各楽器の前に陣取った。
ドラムのカウントが始まり、演奏が始まった。
「これが…本物のレダの歌!?」
何とかスタッフを振り払い、ステージに上がる階段まで来た俺は、レダの歌声に目を見開いた。
「…」
そんな俺に気付き、ティアは上から見下ろした。
「凄い」
感嘆した俺の一瞬の隙をつき、闇が視界を奪った。
「ま、またか!」
歓声も消えた。
俺の周囲は、何もない闇に包まれていた。
「こんな技!」
躊躇なく、魔力を発動させた俺は、闇を破壊した。
空間に亀裂が走り、割れると同時に、魔力を消した。
「レダ!」
階段を上がろうとしたが、階段がなかった。
いや、通路もない。
同じような闇に包まれていたが、亜空間でもなかった。
周囲を光輝く夜の闇に囲まれた…別の場所に、俺はいた。
「海か!」
光輝く闇は、月明かりを反射する海面であることに気付いた。
「無理矢理、テレポートさせられたのか!」
足下にごつごつした岩が転がっているようだが、島という程広くはなかった。
「お嬢ちゃん…」
後ろから、声がした。
「!」
俺が振り返ると、数メートル先の海面から、人間が顔を出した。
いや、相手は人間ではなかった。
ゆっくりと海の中を歩き、陸地に上がってきた男の身長は、5メートル程あり…全身が鱗で被われていた。
「ようこそ、我が島へ。ここに来たということは、光栄です。なぜならば、あなたも島の一部になれるからです」
「彼女は誰です?私をジュリアを呼んだ」
「さあ〜。あたしも詳しくは知らないのよ」
はぐらかすティアの言葉に、
「そうですか…」
レダは頷くと、通路からステージ裏へと入った。
「行きます!」
すでに袖で準備していたバンドのメンバーに告げると、レダは颯爽と観客の前に飛び込んだ。
歓声が沸いた。
レダに、観客の目が行っている間に、バンドメンバーは各楽器の前に陣取った。
ドラムのカウントが始まり、演奏が始まった。
「これが…本物のレダの歌!?」
何とかスタッフを振り払い、ステージに上がる階段まで来た俺は、レダの歌声に目を見開いた。
「…」
そんな俺に気付き、ティアは上から見下ろした。
「凄い」
感嘆した俺の一瞬の隙をつき、闇が視界を奪った。
「ま、またか!」
歓声も消えた。
俺の周囲は、何もない闇に包まれていた。
「こんな技!」
躊躇なく、魔力を発動させた俺は、闇を破壊した。
空間に亀裂が走り、割れると同時に、魔力を消した。
「レダ!」
階段を上がろうとしたが、階段がなかった。
いや、通路もない。
同じような闇に包まれていたが、亜空間でもなかった。
周囲を光輝く夜の闇に囲まれた…別の場所に、俺はいた。
「海か!」
光輝く闇は、月明かりを反射する海面であることに気付いた。
「無理矢理、テレポートさせられたのか!」
足下にごつごつした岩が転がっているようだが、島という程広くはなかった。
「お嬢ちゃん…」
後ろから、声がした。
「!」
俺が振り返ると、数メートル先の海面から、人間が顔を出した。
いや、相手は人間ではなかった。
ゆっくりと海の中を歩き、陸地に上がってきた男の身長は、5メートル程あり…全身が鱗で被われていた。
「ようこそ、我が島へ。ここに来たということは、光栄です。なぜならば、あなたも島の一部になれるからです」