天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
「そ、そうだ!そのやつらって何だよ!」

女子高生は、眼鏡の男に詰め寄った。

「フッ…」

眼鏡は、男は口許を緩めた。

助手席にいた女はドアを開けると、外に出た。

メイド姿に猫耳は、校門前では異様とあった。しかし、前につけていたエプロンを取ると、何故か…薄茶のスーツに変わった。

そのまま、女は学園内に入った。

「おい!やつらって誰だよ!危険が及ぶのは、俺だぜ?知る権利くらいあるだろ!」

女子高生の言い分も、もっともである。

「成る程…お前の言い分は、わかった」

眼鏡の男は、フロトガラスから視線を外すと、天井を見上げ、

「敵は恐らく…人間ではない。我が開八神家は、月の子孫だ。この世界の根幹を支えてきたな」

「月の子孫?」

何言ってんだ、こいつというような冷ややかな目を向ける女子高生を気にせず、男は言葉を続けた。

「その意味を貴様は…この学園で知るだろう」

そこまで言って、学園の方に目を向けた。

「はあ?」

女子高生には、理解できなかった。



校門を潜った女は、胸の谷間からあるものを取り出した。

それは、傷だらけの乙女ケース。

「装着!」

乙女ケースが開くと、そこから七色の光が飛び出し、女の体を包んだ。

乙女レインボーに変身した女は、頭に猫耳をつけると、一気に加速した。




「行け!愛ホーンよ」

半田の言葉に、

「アイよ!」

軽くこたえた愛ホーンは、イヤホンのような触手を飛ばすと、逃げる女子生徒の足に絡め、そのまま引き寄せる。

「いやああ!」

そして、スカートをめくると、写真を取る。

「あんさんの恥ずかしい写真を、今すぐネットに流すでえ」

愛ホーンは、パンツを見つめながら、要求した。

「それがいやなら、その中身を拝ませえなあ〜」

単なる変態である。

「いやあ!」

首を横に振る女子生徒。

「いやよ、いやよも〜好きのうち!」

愛ホーンの触手が、無理矢理パンツをめくろうとした。
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