天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
「フレア!有り難く使わせて貰うぞ!」

俺は、フレアの思いを理解してはいなかった。

ただ感謝だけしかしていなかった。

「戻るぞ!」

炎の羽を広げ、空中へと舞い上がった。

そのまま、月下の下…日本目指して海面上を進んでいった。




「赤星君…」

下から、背中に手を回し、光一にしがみつく女子生徒。勿論、服は着ていない。

「ああっ!」

突然、弓なりに身を反らすと、女子生徒は気を失った。

「やれやれ」

光一は立ち上がると、はだけた衣服を整えた。

「下らん」

西館四階の奥…使われていない教室。そこに並ぶ机の上で、数十人の女子生徒が裸で気を失っていた。

「やはり…人間の男が、女とやりたいと思うのは、単なる性欲だけだな。本能が壊れている癖に、生殖活動だけは盛んとはな。これも、滅びたくない一心かな」

光一はフッと笑い、

「やはり…神である僕が、こんなメスどもと何人やっても感じぬ。だがな!」

先ほど貫いた女の首筋に、手を伸ばした。

「わかったことはある!人間は、僕の餌だ!」

そのまま首を掴むと、片手で女を持ち上げた。

そして、指先を肌に突き刺した瞬間、気を失っていた女が目を覚ました。

「あ、赤星君!?」

「感じるよ!君に入れたときよりも、君の血の方がね!」

光一が指先に、少し力を入れただけで、女子生徒は悲鳴を上げることなく、干涸びて絶命した。

「ククク」

すると、女子生徒の体が発火し、一瞬で燃え尽きた。

「流石によく燃えるな」

光一は笑うと、次々に女子生徒達の首筋に手を差し込んでいった。




(魔力を感じる!)

赤星光一を探していた麗菜は、美奈子の声に廊下を歩く足を止めた。

(微かだが…魔力が上がっていくのを感じる)

「どこですか?」

麗菜は中央館の二階にいた。

(西館の上だ)

「わかりました!」

頷くと、廊下を走り出す麗菜。

(途中、人目がないところを通れ!やつならば、お前がどうこうできる相手ではない)

「わかりました」

麗菜は大きく頷いた。
< 209 / 295 >

この作品をシェア

pagetop