天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
「うん?」

光一が最後の食事に、ありつこうとした時、教室の扉が開いた。

「何をしている!」

姿を見せたのは、如月さやかであった。

全裸の女子生徒を持ち上げる光一。そして、床に落ちている大量の制服と下着。

「何もしてませんよ」

しかし、光一が微笑んだ瞬間、持ち上げていた生徒も、衣服類も…すべて消えた。

いや、燃えたのだ。灰も残らずに。

「な!」

誰もいない教室に、1人…光一だけが、立っている。机も椅子も、きちんと揃っている…何事もなかったようになった空間を見て、さやかは絶句した。

「何もありませんよ」

光一は両手を広げ、さやかに微笑みかけた。

「え」

次の瞬間、光一が目の前にいた。

「何事も…ない」

「訳がないだろ?」

さやかの首筋に差し込まれそうになった腕を、乙女ダイヤモンドになった高坂が掴んでいた。

「ほお〜」

光一は感心した。

「さやか!逃げろ!」

高坂は、光一の腕を離すと、全身でぶつかった。

「高坂!ダイヤモンドアタック」

吹っ飛ぶ光一。

「な、何が…」

少しパニック状態になったさやかを見て、高坂は廊下にいる緑に叫んだ。

「さやかを頼む!」

「しかし、部長!」

妖刀空切り丸を手に緑は、教室に飛び込むと、光一に向かって構えながら叫んだ。

「部長1人では…」

「1人ではないわ」

反対側の扉が開き、九鬼が飛び込んで来た。

「生徒会長!」

緑は驚きの声を上げた。

「ほお〜。ついさっき、助かったばかりなのに、戦いを挑むか。つくづく…愚かだな」

光一は、九鬼を見て笑った。

「愚かかもな。でも…あたしは生徒会長だ!この学園の生徒を守る義務がある」

九鬼は、乙女ケースを突きだした。

「装着!」

黒い光が、九鬼を包み…乙女ブラックになった。

「フン!」

さらに、力を込めると…黒いボディが、光輝き出した。

「闇夜の刃!乙女シルバー推参!」

さらに、光一の後ろの窓から、サーシャが飛び込んできた。
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