天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
(あり得ない!)
魂と肉体のシンクロ率が下がり、俺はただ暴走する茉莉の体を第三者的立場から、見守ることしかできなかった。
茉莉から離れ、魔力だけで仮初めの肉体を作ることもできるが…その瞬間、世界が崩壊する。
残された方法は、何とかシンクロ率を戻すしかなかった。
(やれるか!)
四苦八苦していると突然、茉莉の周りの空気が変わった。
(結界!?)
茉莉を中心として、幅一キロ程の正方形をした見えない壁が張られていた。
「は!」
「は!」
「は!」
「フン!」
四方に散らばった真田達4人の手を角にしてできた結界は、気合いを入れると、手から離れ、狭まっていく。
そして、茉莉の体を囲む結界が、2メートル程の大きさになった時、中の景色が変わった。
次の瞬間、正方形の結界は砕け散った。
(ここは!?)
一瞬にして、日本から見知らぬ土地にテレポートさせられていた。
(難民キャンプ)
砂漠地帯に広がる粗悪なテントの数々…。
そして、ボランティアの車。
「×××――!」
声にならない奇声を上げると、茉莉の体はテントに襲いかかった。
「神の行いは、天災に近い。気の毒だが…仕方があるまい」
真田達は、先程まで茉莉の体がいたところまで、来ていた。
「多少の犠牲はつきものだ。それに、この世界の人間を食わすだけの食料がないのだ。ならば、貢ぎものになって貰う他あるまいて」
「ふざけるな!」
真田が、スーツの内ポケットから煙草を取りだそうとした瞬間、目の前に俺がテレポートしてきた。
真っ赤になった口元を拭いながら、戻ってきた俺を見て、真田は煙草から手を離すと、フッと笑った。
「暴走は落ち着いたか…」
真田は、激しく肩で息をしている俺に目を細め、
「それに…お嬢様の力を制御できるようになったのか。貴様…何者だ?」
じっと俺を見つめた。
魂と肉体のシンクロ率が下がり、俺はただ暴走する茉莉の体を第三者的立場から、見守ることしかできなかった。
茉莉から離れ、魔力だけで仮初めの肉体を作ることもできるが…その瞬間、世界が崩壊する。
残された方法は、何とかシンクロ率を戻すしかなかった。
(やれるか!)
四苦八苦していると突然、茉莉の周りの空気が変わった。
(結界!?)
茉莉を中心として、幅一キロ程の正方形をした見えない壁が張られていた。
「は!」
「は!」
「は!」
「フン!」
四方に散らばった真田達4人の手を角にしてできた結界は、気合いを入れると、手から離れ、狭まっていく。
そして、茉莉の体を囲む結界が、2メートル程の大きさになった時、中の景色が変わった。
次の瞬間、正方形の結界は砕け散った。
(ここは!?)
一瞬にして、日本から見知らぬ土地にテレポートさせられていた。
(難民キャンプ)
砂漠地帯に広がる粗悪なテントの数々…。
そして、ボランティアの車。
「×××――!」
声にならない奇声を上げると、茉莉の体はテントに襲いかかった。
「神の行いは、天災に近い。気の毒だが…仕方があるまい」
真田達は、先程まで茉莉の体がいたところまで、来ていた。
「多少の犠牲はつきものだ。それに、この世界の人間を食わすだけの食料がないのだ。ならば、貢ぎものになって貰う他あるまいて」
「ふざけるな!」
真田が、スーツの内ポケットから煙草を取りだそうとした瞬間、目の前に俺がテレポートしてきた。
真っ赤になった口元を拭いながら、戻ってきた俺を見て、真田は煙草から手を離すと、フッと笑った。
「暴走は落ち着いたか…」
真田は、激しく肩で息をしている俺に目を細め、
「それに…お嬢様の力を制御できるようになったのか。貴様…何者だ?」
じっと俺を見つめた。