天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
「次元刀で、ブルーワールドとこの世界の絆を斬ります」
ブルーワールドと実世界は、兄弟のようなものである。
表裏一体ではあるが、繋ぎ止めている糸は、この学園にあった。
(ああ…。それが終われば、あたしに未練はない。大人しく成仏するよ)
美奈子の言葉に、麗菜…いや、明菜は頷いた。
「はい。あたしも…」
次の言葉をはく前に、明菜の脳裏に、赤星浩一が浮かんだ。
明菜は、胸をぎゅっと抱き締めると、
「成仏します」
もう一度、深く頷いた。
明菜達が屋上にいる頃、俺は理事長に呼ばれ、理事長室を目指していた。
まったく知らない女子…高坂姫百合に、廊下ですれ違いざまに、紙を渡されたのだ。
東館の地下にある理事長室へ向かうには、一階の職員室の前を通り、一番奥の階段を下りるしかなかった。
階段を下り、さらに右に曲がると、理事長室があった。
「うん?」
俺は、理事長室の扉の前に立つ生徒に気付いた。
「生徒会長?」
思わず足を止めた俺に、生徒会長九鬼真弓は、頭を下げた。
「お客様がお待ちです」
「?」
九鬼の言葉に、首を捻ったが、悩んでいる暇はなかった。
九鬼が扉の前から避けると、俺は中に入った。
すると、十二畳くらいの部屋の奥にいた理事長が、机の向こうから立ち上がり、頭を下げると、手で隣の部屋を示した。
「お待ちになっております」
「?」
再び首を傾げながらも、また右側の扉を開け、隣にある応接室に入った。
「待っていたわ」
応接室に置かれた黒皮張りのソファーに座っていた女が、立ち上がり、サングラスを外した。
「ジャリアン」
反射的に出た名前に、女は微笑んだ後、首を横に振った。
「惜しいけど、違うわ。あたしの名は、ジュリア・アートウッド」
「ジュリア…アートウッド!?」
フルネームを聞いて、さらに目を丸くする俺を見つめながら、ジュリアはさらに言葉を続けた。
「今は…レダと呼ばれているわ」
ブルーワールドと実世界は、兄弟のようなものである。
表裏一体ではあるが、繋ぎ止めている糸は、この学園にあった。
(ああ…。それが終われば、あたしに未練はない。大人しく成仏するよ)
美奈子の言葉に、麗菜…いや、明菜は頷いた。
「はい。あたしも…」
次の言葉をはく前に、明菜の脳裏に、赤星浩一が浮かんだ。
明菜は、胸をぎゅっと抱き締めると、
「成仏します」
もう一度、深く頷いた。
明菜達が屋上にいる頃、俺は理事長に呼ばれ、理事長室を目指していた。
まったく知らない女子…高坂姫百合に、廊下ですれ違いざまに、紙を渡されたのだ。
東館の地下にある理事長室へ向かうには、一階の職員室の前を通り、一番奥の階段を下りるしかなかった。
階段を下り、さらに右に曲がると、理事長室があった。
「うん?」
俺は、理事長室の扉の前に立つ生徒に気付いた。
「生徒会長?」
思わず足を止めた俺に、生徒会長九鬼真弓は、頭を下げた。
「お客様がお待ちです」
「?」
九鬼の言葉に、首を捻ったが、悩んでいる暇はなかった。
九鬼が扉の前から避けると、俺は中に入った。
すると、十二畳くらいの部屋の奥にいた理事長が、机の向こうから立ち上がり、頭を下げると、手で隣の部屋を示した。
「お待ちになっております」
「?」
再び首を傾げながらも、また右側の扉を開け、隣にある応接室に入った。
「待っていたわ」
応接室に置かれた黒皮張りのソファーに座っていた女が、立ち上がり、サングラスを外した。
「ジャリアン」
反射的に出た名前に、女は微笑んだ後、首を横に振った。
「惜しいけど、違うわ。あたしの名は、ジュリア・アートウッド」
「ジュリア…アートウッド!?」
フルネームを聞いて、さらに目を丸くする俺を見つめながら、ジュリアはさらに言葉を続けた。
「今は…レダと呼ばれているわ」