天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
少し興奮…いや、悔しさに震えるような怒りを表す男に、理香子は何も言えなくなった。
「月の女神よ。あなたは、この世界の母。母はすべての子供に、平等でなければいけない」
男は突然、頭を下げ、
「今から始まることは、子供達が紡ぐ物語。どう転んでも手出しせぬように…。子供の喧嘩に手出しせぬように…宜しくお願い致します」
さらに、頭を下げる男に、理香子は絶句していた。
それ故に、男の先で起こっていた出来事にすぐには気付かなかった。
「な!」
「チッ!」
音速の戦いを繰り広げていた乙女ブラックとイハンダーの間に、乙女レインボーが飛び込んできた。
「邪魔だ」
乙女レインボーは音速で動く2人を、同時にパンチでふっ飛ばした。
「な、何!?虹色の乙女ソルジャーだと!」
驚愕する乙女ブラックとは違い、イハンダーは乙女レインボーに襲いかかった。
「邪魔は、貴様の方だ!」
片手で日本刀を振り上げると、乙女レインボーの脳天を狙う。
さらに、もう片方にもいつのまにか日本刀を握っていた。
上段は誘いで、横凪の斬撃が本命だった。
(決まった!)
内心ほくそ笑んだイハンダーは、次の瞬間…絶句した。
(な!)
斬り裂いたのに、感触がないのだ。
「残像!」
気付いた時には、乙女レインボーは後ろにいた。
「フン!」
乙女レインボーのバック&ブローが、イハンダーの後頭部を狙う。
「は!」
そんな乙女レインボーの動きをよんでいたかのように、さらに後方から、乙女ブラックが襲いかかる。
「なめるな!」
イハンダーは身を捩り、腕を鞭のようにしならせた。
後ろにいる乙女レインボーの攻撃を受けても、刀で斬り裂くはずだった。
しかし、2人の攻撃は…乙女レインボーにあたることはなかった。
乙女ブラックのパンチは、イハンダーの横っ面に突き刺さり…イハンダーの刀は、乙女ブラックの脇腹に刺さっていた。
「ば、馬鹿な…」
「あり得ない」
重なるように倒れた2人を背にして、乙女レインボーは悠然とグランドに向けて歩き出していた。
「月の女神よ。あなたは、この世界の母。母はすべての子供に、平等でなければいけない」
男は突然、頭を下げ、
「今から始まることは、子供達が紡ぐ物語。どう転んでも手出しせぬように…。子供の喧嘩に手出しせぬように…宜しくお願い致します」
さらに、頭を下げる男に、理香子は絶句していた。
それ故に、男の先で起こっていた出来事にすぐには気付かなかった。
「な!」
「チッ!」
音速の戦いを繰り広げていた乙女ブラックとイハンダーの間に、乙女レインボーが飛び込んできた。
「邪魔だ」
乙女レインボーは音速で動く2人を、同時にパンチでふっ飛ばした。
「な、何!?虹色の乙女ソルジャーだと!」
驚愕する乙女ブラックとは違い、イハンダーは乙女レインボーに襲いかかった。
「邪魔は、貴様の方だ!」
片手で日本刀を振り上げると、乙女レインボーの脳天を狙う。
さらに、もう片方にもいつのまにか日本刀を握っていた。
上段は誘いで、横凪の斬撃が本命だった。
(決まった!)
内心ほくそ笑んだイハンダーは、次の瞬間…絶句した。
(な!)
斬り裂いたのに、感触がないのだ。
「残像!」
気付いた時には、乙女レインボーは後ろにいた。
「フン!」
乙女レインボーのバック&ブローが、イハンダーの後頭部を狙う。
「は!」
そんな乙女レインボーの動きをよんでいたかのように、さらに後方から、乙女ブラックが襲いかかる。
「なめるな!」
イハンダーは身を捩り、腕を鞭のようにしならせた。
後ろにいる乙女レインボーの攻撃を受けても、刀で斬り裂くはずだった。
しかし、2人の攻撃は…乙女レインボーにあたることはなかった。
乙女ブラックのパンチは、イハンダーの横っ面に突き刺さり…イハンダーの刀は、乙女ブラックの脇腹に刺さっていた。
「ば、馬鹿な…」
「あり得ない」
重なるように倒れた2人を背にして、乙女レインボーは悠然とグランドに向けて歩き出していた。